大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(れ)2333 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を名古屋高等裁判所に差し戻す。

理 由

弁護人鈴木貢の上告趣意について。

弁護人の上告趣意は刑訴四〇五条に該当しない。しかし記録を精査すると原審に

おける公判手続の経過は所論のとおりであり、従つて右手続には刑訴三一五条本文

に違反した違法があるものといわねばならない。そして原審判事小林登一が原審公

判に関与する以前において既に検察官の起訴状の朗読その他冒頭手続、証拠書類及

び証拠物の取調、証人Aの尋問等が行われ、同判事は公判手続の更新のなされない

ままにその証人Bの尋問及び当事者の弁論に関与したにすぎないのであつて、かく

の如く公判手続の重要部分に関与しない判事が判決に関与することは口頭弁論主義

直接審理主義の大原則を著しく蹂躪するものであり審理に関与した裁判官が裁判を

するのと然らざる裁判官が裁判をするのとでは心証を異にし従つて主文が反対にな

ることもないではないから刑訴四一一条一号によつて原判決を破棄すべき場合にあ

たるものといわねばならない。

よつて刑訴施行法三条の二刑訴四一一条四一三条本文により裁判官全員一致の意

見で主文のとおり判決する。

検察官 平出禾関与

昭和二七年五月二七日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

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裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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